今回は、ショアジギングにカテゴライズされる釣りである【ショアスロージギング】についてのお話。一般的なショアジギングとは違い、使うタックル、やり方(動かし方)、考え方が異なりますので、その辺りについて色々お話していきます。

目次
ショアスローとは、名前の通り「スロー(ゆっくり)誘う」ショアジギングの派生系
一般的にショアジギングはジャカジャカジャカと激しくロッドを操り、ジグに激しい動きをつけることをイメージされる方が多いと思いますが、ショアスローはその反対で、名前の通り【スロー(ゆっくり)にメタルジグを動かし魚を釣るためのテクニック】となってます。
メタルジグの速い動きについてこれない魚だったり、活性が低くジグを追いきれていない魚をターゲットにすることができるので、ショアジギングでは釣れなかった魚を別角度から狙い撃ちすることが可能!え?こんな魚が釣れるの?って魚が釣れることもあるので、ぜひやってみて下さい。
ショアスローは「ショアジギングのゆっくりバージョン」
楽しめる時期や時間帯

ショアスロージギングを楽しめる時期ですが、基本的には魚の活性が高くなりやすい春〜秋にかけて通用するテクニックです。ただし、冬の低活性を攻略するため、敢えて【冬にショアスロージギングを楽しむ】というのも一つの手ですね。
一般的なショアジギングが楽しめる時期であればショアスローも楽しめますので、ショアジギングの合間にショアスローをやってみる・・・みたいなやり方がベスト。
ショアスローで釣れやすい時間帯ですが、やはり朝夕の「マズメ」が狙い目。
真っ昼間や夜でも釣れないことはないですが、やはりマズメの時間帯は魚の活性が高くなりやすく、釣れやすい時間帯であることは間違いないので、マズメを挟むような感じで釣行時間を調整することで、勝率を底上げすることができます。
ショアスロー専用のメタルジグを使おう
ショアスローを楽しむためには、【ショアスロー専用に開発されたメタルジグ】を使う必要性があります。普通のメタルジグを使うと、それはショアスローではなく「ただのショアジギング」となるので注意して下さい。
例えば、メジャークラフトからリリースされているジグパラスローがそれに該当します。
落ち葉のような形をしており、そのウエイトバランスから「フォール中は木の葉のようにヒラヒラ落ちる」のが特徴てきで、要するに【木の葉のようにスローにフォールし、ゆっくり魚へアピールできる】メタルジグとなってます。
必ずショアスロー専用のメタルジグを使おう!
ショアスローに適したタックルセッティング

ショアスローに適した道具を揃えよう!
ショアスローを楽しむために「専用のタックル(ロッド、リール)を揃えたほうが良いのか?」という疑問についてですが、ショアジギングタックル一式を持っているのであれば【そのタックルを流用する】のが一番だと思います。
各社からショアスロー専用ロッドがリリースされていますので、本格的にショアスローを楽しみたい人は専用タックルを揃えたほうが良いですが、【ショアジギングの合間にショアスローも楽しみたい】ぐらいの考えであればわざわざ専用ロッドを買い足す必要はありません。
具体的にショアスローに適しているロッドは「ティップが比較的柔らかいもの」で、リールは「3000番〜4000番」に狙うターゲットによりPEライン1号〜2号を使い分けるのがベスト。
場所やタイミングによってはブリやヒラマサなどの大型青物がHITすることもあるので、そのような大型魚が想定されるフィールドでショアスローを楽しむときは、比較的ハードなタックルセッティングで挑むことをオススメします。
専用ロッドは必ずしも必要じゃないが、不意の大物に対応できるタックルセッティングを心掛けることがオススメ
ショアスローは、堤防、サーフ、テトラ帯、どんな場所でも楽しめます

ショアスローは基本的に堤防、サーフ、テトラ帯、地磯、ゴロタ浜、どんな場所でも楽しむことができます。後は狙いたい魚種に合わせ場所をセレクトしてみましょう。
例えば青物を狙いたいときは「外海に面した潮通しの良い堤防」「青物の実績が高い地磯」なんかが良いですし、根魚メインに釣行するときは「根が荒い場所」が狙い目となります。
ただし、場所によっては「根掛かりが頻発して釣りにならない・・・」ってこともあるので、慣れるまでは比較的根掛かりリスクの少ないサーフなんかで練習してみることをオススメします。
ショアスローは場所を問わない釣り
ショアスローで狙える魚は多種多様
ショアスローは狙える魚種が豊富で、ルアーに反応してくれる魚全てがターゲットと成り得ます。青物や根魚、フラットフィッシュまで、なんでも狙うことができるある意味「見境のない釣り」ですので、色々な場所でショアスローを楽しむことで、新たな発見があるかもしれません。
ショアスローで釣ることができる代表魚種はこんな感じ。

- 青物(ハマチ、ヒラマサ、カンパチなど)
- 根魚(ガシラ、アコウ、アカハタ、アラなど)
- フラットフィッシュ(ヒラメやマゴチなど)
- シーバスやチヌ
ショアスローのやり方を徹底解説!
通常のショアジギングはジャカジャカとロッドを操作し、メタルジグへ激しいアクションをつけるのが一般的ですが、ショアスローはその名の通り「ゆっくりメタルジグを動かす釣り」ですので、あくまでスローな動きで誘いをかけるようにして下さい。
具体的に何がスローなのかと言うと、「ロッドアクション」「フォールスピード」、この2つがスローとなり、ショアジギングででは速すぎて食い損ねてしまう魚や、活性が低く動きが鈍っている魚を狙い撃ちすることができます。
やり方は比較的簡単で、キャスト後ボトムまで着底させ、ジャカ、ジャカ、ジャカと「ゆっくり目のワンピッチジャーク」で10回ほど動きを付け、フリーフォールで再度着底させます。
アクション中にガツン!とHITすることもありますが、ショアスローは「フォール中のバイト」が比較的多い釣りなので、フォール中はどんなに小さなアタリも見逃さないように要集中です。
もう一つ、ボトム付近を中心に狙うことができるテクニックがあります。主に根魚を狙うときに有効なテクニックですが、底付近を回遊している青物をターゲットにすることもできるので、ぜひやってみて下さい。
キャスト後必ずボトムを取り、ジャカ、ジャカとゆっくり2〜3回ほどアクションさせ、カーブフォールで再度着底。後はこれを繰り返すだけです。フォール中、底からの立ち上げでアタリが出やすいので、アタリがあれば即合わせし、ゴリ巻きでボトムから魚を引っ剥がすのがキャッチ率を高めるコツ。
どちらの動かし方にも共通して言えることですが、ショアスローでは「メタルジグを大きく動かさない」ことをイメージしながら操作して下さい。力任せにメタルジグを動かすのではなく、ロッドのしなりでメタルジグを動かす感じが正確。
また、ジャカ、ジャカとロッドアクションを付ける合間にメタルジグが木の葉のように「ヒラヒラヒラ」とフォールする間を付けるのが有効的なので、言葉にするなら【ジャカ、ヒラヒラヒラ、ジャカ、ヒラヒラヒラ、ジャカ】と、こんな感じでメタルジグを動かしてみて下さい。
根掛かりを避けるために意識しておきたいこと
ショアスローは基本的にボトムへタッチすることが多い釣りなので、必然的に「根掛かりリスク」が高くなってしまいます。根の荒い場所でショアスローをやってしまうと「根掛かり頻発で釣りにならない・・・」なんてこともあるのでご注意を。
根掛かりリスクを極限まで低くするには、「素早くボトムから立ち上げる」「根の位置を把握する」ことが大切で、この2つを徹底するだけでも飛躍的に根掛かりリスクを低くすることができるようになります。
素早くボトムから立ち上げるためには【いち早くボトム着底を知る】ことが必要不可欠なので、以下のページを参考にしつつ、ボトム把握スキルを身に着けてみて下さい。
根の位置を把握するためには、同じポイントへ通い詰めるのが手っ取り早く地形を把握する方法ですが、針を外したメタルジグで探ってみる・・・という方法もあるので、始めての場所ではまずフック無しのメタルジグをキャストし、大体の地形を把握することで根掛かりの可能性を低くすることができます。
例えば地磯なんかだと、ボトムが階段式になっていることがあり、ジャカジャカ動かしていると「自分の中では中層を狙っているはずなのに急に根掛かりする」ってことがよくあります。
これは階段状になっているため急激に水深が浅くなり、結果として根掛かりしてしまっている訳で、このような地形変化を把握するためにも、事前の「地形チェック」は欠かせないのですね。
地形を把握するためにも、フックを外したメタルジグでテストしてみるのも一つの手
以上、ショアスローについてのアレコレでした。