アジングは日によって軽く2桁釣果を出すことができる日もあれば、自信をなくすような貧釣果で終わってしまう日もあるほど、釣果にムラが出てしまう釣りです。
特に【アジなんて余裕で簡単に釣れるだろー】とアジングを始めた人がボウズ(1匹のアジも釣れないこと)を食らってしまうと、きっとアジングが嫌いになってしまうんじゃないかな?とは思います。簡単だと思って始めた釣りなのに、全く釣れなかったときの精神的ダメージはとても大きいですからね。
一見、簡単そうに見えるアジングですが、【パターン(その日、アジが何を食べているのかで戦略を変える)】を見極めないことには上手く釣果を伸ばすことが難しくなりますし、釣れても2匹とか3匹とか・・・貧果で終わってしまうことが多いんですよ。
しかも、パターンを掴めないと「釣れるアジのサイズが小さくなる」ということも考えられるため、アジングでコンスタントに釣果を得るためには、【その日のパターン】を掴み、様々な戦略を練っていくことが大事です。
そこで今回は、アジングを楽しむに辺り知っておいたほうが良い「パターン(アミパターン、バチパターン、小魚パターン、コマセパターン)」についてのアレコレをまとめていこうと思うので、どうぞ参考までに。

目次
アジが食べているものを見極めよう
アジングでより良い釣果を叩き出すためには、その日アジが捕食しているものを推測し、そのベイトに合わせたワームや戦略を用いることが大事な要素となります。ワームをエサに見立ててアジを釣ることを「マッチザベイト」と呼び、反射食いを狙うことを「リアクションバイト」と呼ぶので、この言葉を頭の片隅にでも置いておきましょう。
「そもそも、アジって一体何を食べているの?」という話ですが、主にアジが食べているであろうベイトは以下の4種類
- アミ
- ゴカイなどのニョロニョロ生物
- 小魚
- 釣り師の餌(コマセ)
この4種類のパターン(考え方や釣り方)を知ることで、より多くのアジをゲットすることができる可能性を底上げすることができるようになるため、それぞれ一つずつ簡潔に見ていきましょう。
アミパターン(プラントンパターン)

アジがアミやプランクトンを捕食しているパターンだよ
アミというのは、エビのような見た目をしたプラントンの一種です。アミは目で見えないほど小さなものが多いですが、肉眼で確認できるほど塊になっているアミであれば目で見て確認することができますので、水面をじっくりと観察し、アミが湧いていないかを確認してみて下さい。(水面をライトで照らすのはマナー違反となるためご注意を)
特に夜間の漁港や堤防などで、常夜灯に照らされている海面を見ると、溜まっているアミに対し猛烈に襲いかかっているアジを目撃することができます。そのような場所でアジがボイル、ライズしているときはアミパターンである可能性が高いです。
ただ、この「アミパターン」は非常に厄介なパターンであり、釣り方を間違えてしまうと「全く釣れない・・・」ということもありますし、「釣れても10cm〜程度のアジ(豆アジ)だらけ・・・」ということが良くあるんですよ。
アミパターンのときに良く見かける光景である、「水面でバシャバシャしているライズ」は、「豆アジ」がアミを捕食しているケースが多いため、より大型のアジを狙いたいときは、表層ではなく中層〜ボトムを狙ってみて下さい。サイズが大きなアジは豆アジの下層にいることが多いですからね、レンジを下げることでサイズアップが狙えます。
なぜ「サイズが大きなアジは豆アジよりも下のレンジにいるのか?」と言うと、中型以上のアジは積極的にアミを捕食しには行かず、中層付近を漂いながら流れてくるアミや孤立しているアミを狙い、なるべく体力を使わないように捕食する傾向があるからです。
そのため、中層付近を「ただ巻き」や「フォールを用いた釣り」でゆっくり漂わせ、スローに攻めていくことで、良い反応を得られることが多いため、アミパターン攻略法としてぜひお試しあれ。
アミパターンは小型のアジがよく釣れる
ニョロニョロ生物パターン(バチパターン)

バチを食べているときのパターンだよ
特に冬場や春先でよく見られるパターンですが、アジが底付近にいるゴカイやイソメなどを捕食している「ニョロニョロ生物パターン」の場合、表層や中層を攻めるのは得策ではありません。アジが底付近でベイトを捕食しているのですから、攻めるレンジは必然的に「ボトム」、もしくは「ボトム少し上」となります。
ただし、(地域によって時期に差が出ますが)バチ抜けと呼ばれる時期に関しては「バチが産卵のため表層まで浮いてくる」ことがあるため、この場合に限ってはボトムを攻めるのではなく、表層付近を攻めていきましょう。海面を見るとウニョウニョとバチが動いている姿を確認できるので、その判断は容易なはず。
ボトムにいるバチを捕食しているパターンの攻略法ですが、キャスト後に必ず底(ボトム)をとり、底付近をゆっくりリトリーブしていきます。しかし、レンジキープしながらボトムスレスレにワームを泳がすのは至難の技なので、ずっと巻き続けるのではなく、「幾度となく底を取り直す戦略」で攻めていくことをおすすめします。
そのやり方を具体的に言うと、ただ巻き→フォール→ボトムステイ(3〜10秒程度)←このようにボトムにステイさせるのもアリですし、ただ巻き→フォール→着底後すぐにただ巻き←これもアリです。(ボトムステイは多用すべきではなく、どうしても釣れないときにやってみて下さい。)
いずれにしれも、ボトムにいるバチを捕食しているパターンでは、とにかく底を意識した戦略が釣果を伸ばすためのキモとなるため、必ず「底」を取ることを意識した釣りを意識し、展開していきましょう。
合わせて読みたい
小魚パターン

アジが小魚を捕食しているパターンだよ
小魚パターンとは、その名の通り「アジが小さな魚を捕食しているとき」のことを指します。アジが小魚を追い回しているときや、水面でボイルが起きているときは小魚を捕食している可能性が非常に高くなり、このようなシチュエーションに遭遇したときは凄く大きなチャンスでもあります。
小魚を食べているアジは活性が高いことがほとんどですからね、とにかく「どのような釣りでも簡単に反応してくれる」非常にイージーなアジングとなるのです。
ワームをただ巻きするだけでも好反応を見せてくれますし、ダート釣法やプラグにも面白いほど反応してくれます。要するに、何をしても釣れる傾向が強いため、小魚パターンの場合、とにかく海に向かって一投でも多くキャストし、1匹でも多くのアジをゲットしちゃいましょう。
小魚パターンは比較的簡単
コマセパターン

巻かれたエサにアジが集まっているパターンだよ
釣り場には、アジングを楽しんでいる人もいれば、コマセを使った釣りを楽しんでいる人も多く、そうなれば当然海中には餌師が巻いたコマセが漂っていることもある訳です。
正直なところ、このコマセに付いているアジをワームで釣るのは非常に難易度が高く、攻略するのが難しいため、「敢えてコマセパターンのアジングを楽しむ必要性はない」というのが本音です。とにかく海中には沢山の餌(コマセ)が撒かれていますからね、そんなアジにとってパラダイスのような状況下で、敢えてワームに反応してくれるアジは稀なのです(釣れないことはないんですけどね、非常にストレスの溜まる釣りを展開しなくてはならないケースが多いです)
そのエリアにいるアジが餌師の撒いたコマセに夢中になっているような状況下では、諦めて違うポイントに移動するか、おこぼれをもらうため、ひたすら近くで投げ続けるか・・・これぐらいしか方法はありませんね。個人的には、「アジがコマセに付いているな」と感じたときは無理に追うことはせず、釣り人の少ないテトラ帯などに逃げることが多いです。
個人的には移動することをオススメします
ただ巻きだけではなく、色々な方法を試してみる

その日のパターンを掴むためにも、ただひたすら一定速でリトリーブするだけの戦略ではなく、色々な方法を試すことで、釣果を上向きにすることができるよ!
- リトリーブに強弱をつける
- 横の釣りから縦の釣りに
- ワームカラーをローテーションする
リトリーブに強弱をつける
アジングを「ただ巻き」をメインで楽しんでいる人もいるでしょうが、ただ巻きでアジを狙うときは、【リトリーブに強弱を付ける】だけで、アジの反応が桁違いに変わってくるため、試行錯誤しながら色々な巻きスピードを試してみることが大事な要素となります。
アミを捕食しているアジは「デットスローリトリーブ(2秒に1回転ぐらい)」が効果的であることが多いですし、逆に小魚を追い回しているような活性の高いアジの場合、早巻きでリアクションバイトを誘発するほうが良い場合もあります。
ひたすら一定速度でただ巻きを続け、思うような釣果が得られない・・・そんな人は、リトリーブに強弱を付け、アジの反応を確かめていきましょう。
何も考えずに巻いてくるだけではなく、戦略性を持ったただ巻きを意識しよう
横の釣りから縦の釣りへ
「ただ巻き」だけでアジングを楽しんでいる人も一定数いるとは思いますが、アジングの基本となるテクニックは、やはり「フォール」を用いた釣りなんですよ。ただ巻きを「横の釣り」とするなら、フォールは「縦の釣り」という感じですね。
というのも、アジは上からジワーっと落ちてくるものに対し好反応を見せる魚ですので、ただ巻きで横にワームを動かすよりは、ワームに動きを付け、潮に馴染ませるように落としていくのが最適なんですよ。
具体的なやり方としては、キャスト後任意のレンジまで沈め、チョンチョンとシェイクするようにロッドアクションを付け、その後カーブフォール(ラインテンションを掛けながらフォールさせる)で元の位置まで戻す・・・。これを繰り返す感じです。
軽いロッドアクションでワームを動かすことでアジにアピールし、その後のジワーっとしたカーブフォールで食わす・・・イメージとしてはこんな感じですね。
ダート釣法はアジを狂わす魔法のようなテクニック
ワームカラーをローテーションする
アジは色を識別できていない・・・という研究結果もありますが、ピンクからクリアへ、クリアからグローへ・・・と、ワームカラーをローテーションすることでアジの反応が目に見えて変わってきますので、アジングにおけるカラーローテーションは釣果を伸ばすために必要な要素であることは紛いもない事実です。
ずっと同じ色の同じワームが何度も何度も目の前を横切る訳ですからね、アジからすると「これは怪しい・・・」と警戒してしまうのは必然です。
自分の目の前を、同じ顔、同じ服装の女性が何度も何度も目の前を横切っていると、どう思うでしょうか?どう考えてもおかしいですし、どう考えても警戒しますよね。
それと同じで、何度も何度も同じワームを見ているとさすがに「あれは何か危険なものだ・・・」と感じるでしょうから、定期的にワームの種類やワームのカラーを変えてやり、アジに不要な警戒心を抱かせないためのカラーローテーションを徹底していきましょう。
アジに飽きさせない程度にローテーションしよう
まとめ

アジングで良い釣果を残したいのなら、その日、アジが何を食べているかを意識し、ベイトを割り出した上でその日のパターンを探っていくのが基本となるよ!
ただ適当にただ巻きして【なんとなく釣れた】より、色々自分なりに試行錯誤した結果【ようやく釣れた】のほうがよっぽど価値が高いし、腕の上達にも繋がると思うよ!
アジングは意外にシビアだよ