シーバスアングラーであれば一度は耳にしたことがあるでしょう【バチ抜けパターン】ですが、ほんと「え、シーバスってこんなに簡単に釣れるもんなの?」と思えてしまうほど、イージーにシーバスが釣れてしまいます。
今回は、そんな比較的誰にでも簡単にシーバスを釣ることができちゃう【バチ抜けシーズンのシーバスゲーム】について詳しく書いていきますので、バチ抜けシーズン初挑戦の人も、シーバス釣りが上手な人も、ぜひ一度目を通してくださればと思います。
- そもそもバチ抜けとは?
- バチ抜けのシーズン(時期)
- 時間について
- 釣れる場所について
- バチ抜けタックル(ロッド、リール、ライン、ルアー)
- バチ抜けシーバスを釣るテクニック
目次
そもそもバチ抜けってなに?

そもそもバチってなんなの?って話ですが、釣り餌として良く使われてる「ゴカイ(イソメ)類」のことを指す言葉です。ミミズのような見た目で少し気持ち悪いですが、シーバスがバチをメインベイト(餌)としてる時期を一括りに「バチ抜けシーズン(バチパターン)」と呼んでいます。
バチは普段、泥や砂の中に隠れて生活していますが、冬〜春にかけての産卵シーズンになると、産卵のために住処である砂中を抜け出し、海面付近まで浮上してくることになります。
バチは泳ぎが得意な生き物ではなく、水面付近を漂うように泳いでいたり、流れに身を任せ「文字通り流されて」いたり・・・シーバスからすると「こんなお手軽な餌はない」ということで、ここぞとばかりにバチを食べまくるんですね。
ほんと、他の餌(カニとか小魚)には目もくれず、狂ったようにバチばかりを捕食するもんだから、釣り人としてはベイトが定めやすく、使うルアーをセレクトしやすい最高の時期(パターン)なので、シーバスがバチを偏食しているこの時期は、時間が許す限り海へ足を運んでみて下さいね!
きっと最高の釣果を手にすることができるはず・・・。
バチパターンとは、普段は砂の中で生息しているバチが産卵のため浮上してくるタイミングを狙い、そのバチをシーバスがメインで捕食していることを指す言葉
バチ抜けのシーズン

バチパターンでのシーバスゲームですが、当然時期を外すと(そのパターンは)全く通用しなくなってしまうので、ご注意を。また、バチ抜けの時期であっても捕食しているベイトが別のもの(マイクロベイトなど)であれば全く別物の釣りを展開しなければいけませんので、その辺りを強く意識しながらゲーム展開するようにして下さいね。
地域によりバチが抜ける時期は異なりますが、定説通りにいくと東京では1月〜5月、大阪では3月後半〜5月後半という感じですので、お住いの地域により成立する時期を調べてみて下さい。
バチパターンの具体的な時期については別記事で詳しくお話していますので、そちらを参考までにどうぞ。
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釣れる時間

シーバスゲームはデイでもナイトでも楽しむことができる釣りではありますが、バチパターンに関しては【夜】にしか釣れないもの・・・と認識しておくようにして下さい。
もちろん、明るい時間帯は100%釣れない・・・なんてことはありませんが、経験上昼の明るい時間帯にバチパターンでの釣りが成立したことがありませんし、夜のほうが圧倒的に好釣果を得ることができていますからね。
そもそもバチ抜けパターンは、言葉通り「バチが水面に抜ける」ことで通用するパターンであり、バチが抜けない明るい時間帯を狙うのはナンセンスなんですね。バチが抜けないのですから、こればかりはどうしようもありません。(敢えて狙うなら底にいるバチを演出することが大事です)
暗くなるとバチが抜け出し、そのバチを捕食してやる!とシーバスの活性が高くなってきますので、バチが抜け出し始めてから収まるまでの時間が、バチシーバスゲームのゴールデンタイムとなる分けです。
もう一つ、バチ抜けシーズンに重視したいのは「潮回り」。
もちろん小潮であっても長潮であっても通用するパターンであることは間違いないですが、よりイージーにシーバスを釣りたい場合は、大潮の満潮前後2時間を狙うほうが良いです。バチは大潮の満月の日に抜けやすいですからね、そのタイミングを狙い釣行することで、さらなる釣果アップを狙うことができますよ!
バチパターンが成立する時間については別記事で詳しくまとめていますので、より詳しくはそちらを参考にどうぞ。
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釣れる場所
バチ抜けシーバスを釣るためには、場所選びが最も重要なファクターとなります。言わずとも「バチが抜けていない場所」ではパターンそのものが通用しなくなりますからね、全くシーバスが釣れない・・・と言っても過言ではありません。
場所選びの基本ですが、大前提として「底が砂地、もしくは泥」であることが大事。バチは砂地に多く生息していますので、岩礁帯やゴロタではバチが生息しておらず、バチパターンが通用しないことが多いですね。
そして、目視できる範囲に「バチを確認できるか」を重視して下さい。目で見て1匹でもバチが抜けているとGOサイン、逆にバチの姿が確認できないときは、実績のあるフィールドを除き、ポイントを練り直したほうが良いでしょう。
例えばツリイコ編集部のある大阪だと、上のGoogle Mapsで指定した場所のような「運河」がベスト。都市部だと必ず運河があるとは思いますので、ぜひご確認を。
底が砂地で、目で見てバチを確認できるような場所へ釣行しよう!
バチ抜けで使用するタックルセレクト

必ずしも「バチ抜け専用タックル」を揃える必要性はありませんが、細かいところにシビアになればなるほど、釣果に凄く大きな差を生むことになりますので、できる限り最適なタックルセッティングを心がけておくほうが良いとは思います。
ちなみに、個人的にもバチ抜け専用タックル・・・のような贅沢なタックルセットは持ってませんが、バチ抜けシーズンにバッチリ対応できるようなタックルセレクトを心がけるようにはしていますので、ツリイコ編集部に蓄積されている「バチ抜けタックルの選び方」をここで開放していこうと思います。ぜひ参考までに。
バチパターンに特化したタックルを組もう!
バチパターンで扱いやすいロッド
- ティップが柔らかいもの
- バランスが良いもの
- アタリが取りやすいもの
バチ抜けシーズンのシーバスは、凄く怠慢になってることが多いです。なぜなら、バチは遊泳力に優れておらず逃げ足も遅いので、シーバスからすると、苦労せず捕食できる超お手軽な餌なんですよ。そのため、ルアーに対しても「どうせ簡単に捕食できるだろ?」と余裕をかますことになり、食い込みが凄く悪くなってしまうのです。
チョン!と触るようなアタリが頻発したり、HITしても食い込みが悪くすぐにバレてしまったり。簡単に釣れる反面、シビアで難しい面もあるので、それに対応したロッド選びが重要な要素となります。
まず、細かいアタリをモノにするために【ティップ(穂先)が柔らかい】ものがオススメです。特に、「ソリッドティップ」タイプのロッドがオススメで、この時期特有の凄く小さなアタリでも難なく掛けてくれる性能を持っていますので、バチ抜けシーズンでは「これ以上ないロッド」となり得ます。
逆にハリが強く小さなアタリを弾きやすいチューブラーティップのロッドだと、シーバスがみせるチョン!という細かなアタリを全て弾いてしまうことになり、「アタリはあるけどHITしない・・・」と残念な結果に終わることが頻発するのです。
例えばライトタックル寄りのシーバスロッドを使ったり、メバリングやアジングなどで使う「比較的パワーの強いライトゲーム用ロッド」を流用するのもアリですね。
ランカーシーバスを狙うようなガチタックルだと「釣れるには釣れるけど数が伸びない・・・」ということになりがちなので。手持ちのロッドから最も最適なものをセレクトするようにして下さいね!
シーバスの細かいアタリをモノにできる、ティップが柔らかく繊細なロッドがオススメ
リールの選び方
- 2500番〜3000番
- ゆっくり巻けるもの
- 巻き性能が良いもの
正直なところ、普段からシーバスゲームで使ってるリールを使えばオッケーなんですが、一応バチ抜けシーズンに適したリールセレクトがありますのでご紹介を。
番手は(シマノ基準で)2500〜3000番ぐらいが適正サイズであり、それ以下だとパワー不足となり、これ以上だとオーバーパワーになってしまう・・・そんな感じです。3000番クラスを使っていれば例えランカーサイズのシーバスがHITしたときにも対応できますし、2500番クラスのリールでもやり取りを細かくやれば難なくキャッチできるとは思いますので、この辺りは好みでオッケーです。
また、大きさよりも大事な要素となるのが、「リトリーブ」に関する性能です。
バチ抜けシーズンの基本アクションは「ゆっくりタダ巻き」することがセオリーなので、ハイギアタイプだとルアーを速く巻きすぎてしまう懸念がありますし、巻き心地が悪いリールだと均一に巻けない・・・って問題点も出てきます。そのため、慣れていない人はノーマルギアタイプで、そこそこ巻き心地の良いリールを使うのがオススメですね。慣れてくればハイギアを使う利点もありますが、とりあえずはノーマルギアでやってみてはどうでしょうか?
予算に余裕があるのであれば、ステラやモアザンみたいな上位機種を買うのが一番ですが、予算に余裕がなく、そんな高級機種は買えない・・・そんな人は、シマノ「ストラディック」クラスのリールがオススメです。
ツリイコ編集部の周りでも沢山の人がメインで使っているリールで、もちろん、バチパターンでのシーバスゲームにも余裕で対応できるスペックを持ち合わせています。ぶっちゃけ、この価格帯でこのクオリティは【最強なんじゃない?】とも思っていますのでどうぞ参考までに。
ラインについて

ルアーゲームでは、ナイロンライン、フロロライン、PEラインと3つの選択肢がありますが、バチパターンに関しては「PEライン」にショックリーダーを1mほどつけるラインシステムで望むのがベストです。
伸びのあるナイロンラインに分があるかな・・・?と試してみた時期もありますが、結局PEラインの感度、飛距離が忘れられず、今ではPE以外のラインを使うことはありません。確かにナイロンラインの伸びはシーバスの細かいアタリもモノにしてくれ良いのは良いのですが、その他スペックが残念すぎるのがアレですね。
参考→PEラインとは?
ラインの太さですが、号数で言うと0.6〜1号がベストです。個人的には0.6号をメインに使い、80cmアップのシーバスが良く釣れるエリアでは1号・・・と、狙うシーバスのサイズによってラインの太さを使い分けるようにはしています。
とは言え、バチ抜けシーズンで釣れるシーバスのアベレージは40cmそこそこのサイズが多いので、それほどシビアに考えなくても良いんじゃないかなー?とは思います。ちなみにショックリーダーはフロロカーボン10lb〜16lbほど。
使用ラインはPE、太さは0.6〜1号ほどがベスト
バチ抜けシーズンに特化したルアーを使う

バチ抜けパターンでシーバスを釣るときは、普段のパターンで使っているミノーやバイブレーションはNGです。そもそも、バチパターンではバチ抜けに特化したルアーを使わないことには「全然釣れない・・・」ってことになりがちなので十分注意するようにして下さい。
ほんと「こんなに違うの?」ってぐらいシーバスの反応が変わってきますからね。
最近は【バチ抜け専用ルアー】が数多くリリースされてきていますが、ツリイコ編集部的に最強と考えているのは「ジャクソンのにょろにょろ」ってルアーです。
バチパターンでのシーバスゲームでは、【にょろにょろ以外の他のルアーって必要なの??】と思えるほどは良く釣れるルアーなんで、ぜひ使ってみて下さいね!
バチ抜けシーズンにシーバスを超簡単に釣るためのテクニック

バチ抜けシーズンは他の時期に比べ「イージーにシーバスが釣れる」傾向にあるのですが、やはり上手い人とそうでない人の間には超えられない壁が存在します。
上手い人は、1日に5匹も6匹もシーバスを上げてるけど、そうでない人は0〜2匹・・・この差を埋めるには腕を磨く以外方法はなく、腕を磨くことで他のアングラーとの差別化を図れますので、色々なテクニックを身に着けてみて下さい。
では、そのテクニックや考え方について一つずつ簡潔に見ていきましょう!
ただ巻きがキモ

ただ巻きは簡単なようで奥が深いテクニック
バチ抜けシーズンのルアーアクションですが、トゥイッチなど無駄な動きは一切与えず「均一にただ巻き(リトリーブ)」することが釣果を伸ばすための鍵となります。
ただ巻きにムラが出てしまうと目に見えてシーバスの反応が悪くなってしまいますし、巻くスピードに対し凄くシビアな日もありますので、たかだかタダ巻き・・・と適当にリトリーブしてるだけでは、他のアングラーとの差をつけることは困難です。
基本的に「デッドスロー(ゆっくり巻き)」が良いとされるバチ抜けシーバスゲームですが、個人的には「デッドスロー」を軸に、速く巻いたり、デッドスローより少しだけ速く巻いてみたり、とにかく色々なリトリーブスピードを試すようにしてます。
教科書通り「デッドスロー」ばかりやっていては、本来釣れるはずのシーバスを逃してしまうことになるので、とにかく色々試してみることがほんと大事。速く巻かないと全く食わない・・・そんな場面に何度も何度も遭遇していますからね、無駄な先入観は近くにゴミ箱にでも捨てるようにし、試行錯誤しながら様々なリトリーブスピードを試すようにして下さいね。
ゆっくり巻いたり、速く巻いたりするのがポイント
上流にキャスト

キャストする方向も意識しよう
バチは遊泳力に優れていない生き物なので、流れのあるフィールドでは、その流れに身を任すように漂ってます。つまり「ただただ流されているだけ」ということですね。
ですので、下流方向にキャストし巻いてくると、「バチが流れに逆らって泳いでいる・・・」となんとも不自然な状態になってしまうので、基本的には上流、もしくは真っ直ぐキャストし、ドリフトさせながら巻いてくるのが一般的です。
ただし、闇雲に流れに乗せてるだけでは「ゴミとの区別」ができないため、流れより少し速いスピードでルアーを泳がすことが重要。シーバスに「あれはゴミではなく餌っぽいな・・・」と思わせることができれば釣ったも同然です。
上流へキャストし、ドリフト気味に巻いてくるのが◎
ルアーカラーを意識

使うルアーカラーを意識しよう
シーバスは色を識別できていない・・・とは言われていますが、ルアーカラーを変えるみることで嘘のように釣れだすことがあるので、「カラーセレクトが釣果に全く影響しない」ってことはあり得ないと考えています。
周りのアングラーは釣れていて、自分だけ釣れていない・・・そんなときはカラーセレクトが間違ってる可能性も捨てきれませんので、ある程度の間隔でカラーローテーションしていき、シーバスの反応を見ることもまた、釣果を上げる鍵となります。
個人的にはナチュラルカラー→腹白カラー(お腹がホワイトのカラー)→グローカラーという感じでローテーションし、その日の当たりカラーを探るようにはしていますので、どうぞ参考までに。
明かりがある場所を狙う

真っ暗な場所よりは、明かりのある場所を狙おう!
例えば、橋脚の下だったり、常夜灯の下だったり、真っ暗な場所を狙うよりは、明るい場所を狙ったほうが、よりイージーにシーバスを釣ることができます。単純に、バチが明かりに集まりやすく、それを捕食するシーバスが明かるい場所に集まってくる・・・理由としてはそんな感じですね。
ただし、シーバスは明るい場所でバチを捕食するのではなく、明るい場所と暗い場所の境目である所謂「明暗の境目」で捕食行動をする習性があるので、ピンポイントで明るい場所を狙うのではなく、明暗の境を綺麗にトレースすることが大事です。
明暗の境目を狙おう
こんな感じでタックルを揃え、ここでお話した通りに釣行してもらえれば、非常に高確率でシーバスを釣り上げることができると思います。後はどれだけ釣り場に通うことができるのか?って感じですね。
バチ抜けシーズンは、1年の内で最もシーバスが釣りやすい時期なので、時間が許す限り釣行したほうが良いですし、数をこなせばその分腕も上がってきますので、ぜひバチ抜けシーバスで修行を詰み、シーバスゲームの腕を磨いて貰えればなーとは思います。
PEライン使用がベストだよ